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研究内容

■キンギョの全ゲノム配列を解読し、キンギョの形態、体色の多様性の謎に挑む。

 キンギョには、眼が過剰に大きく成長するデメキンや背びれが無いランチュウなど、多くの体形や体色に関する遺伝的な変異体が存在しますが、それらを制御する遺伝子の実態はほとんど解析されていませんでした。キンギョの祖先種に全ゲノム重複という現象がおこって、遺伝子の総数が約2倍に増加したことにより、キンギョのゲノムの構造は一般の魚類よりも複雑で全ゲノムの解読が困難でした。私たちは、米国NIH、大阪大学、国立遺伝学研究所、愛知県水産試験場との共同研究により、ロングリード次世代DNAシーケンサーと雌性発生キンギョを使って全ゲノム配列の解読に成功しました。今後、キンギョ品種が持つ表現型を制御するメカニズムの解明が進むことが期待されます。また、キンギョ品種には網膜変性疾患をはじめヒトの遺伝病と似た症状を持つものが知られており、ヒトの病気の原因究明にキンギョが役立つことも期待されます。
■繊毛の長さは、どのような仕組みで決められているのか?
私達、ヒトを含めた脊椎動物の細胞では、体じゅうのほとんどの細胞が繊毛を持っているのですが、その繊毛の長さは、様々で、それぞれの細胞の機能に適応しています。例えば、精子の鞭毛は細胞体よりもはるかに長く100μm近くもあるのに対し、神経幹細胞の繊毛は、2~3μm程度しかありません。不思議なことに、繊毛の太さの方は、ほぼ一定です。この繊毛の長さはどのような仕組で決められているのでしょうか?私達は、繊毛の長さ制御の分子メカニズムを研究してきました。この中で、繊毛の長さ制御の仕組みに異常があると疾患を引き起こすことが明らかとなりました。





細胞の種類によって繊毛の長さは様々である。
 


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