本学では2023年から、安土養蜂園さんのサポートのもとでセイヨウミツバチ(Apis mellifera)を用いた養蜂を行っています。本学校舎の琵琶湖がよく見える3階バルコニーに巣箱を設置しており、幸いなことに2023年、2024年、2025年と毎年ハチミツが採取でき、それらを商品化した「n-bio HONEY」は、採蜜ごとに風味が異なっていて大変好評を博しています。今後も継続して本学の特産物としてハチミツとして販売していくために、本学らしい科学的な根拠に基づく付加価値をつけることが重要だと考えています。

一般的にハチミツは、植物の名前(アカシヤ、レンゲなど)がついた単花蜜の方が、蜜源となる植物独特の風味や味があり、商品的な価値が高いとされています。一方で、本学産ハチミツは、大学周囲に単一の植物が多く花を咲かせている環境ではなく、様々な植物由来の百花蜜である可能性が高いと考えられます。しかし、そもそもこれまでに得られたハチミツがどのような植物を蜜源としているのか、その蜜源が本学周囲のどこにあるのかがわかっていないため、本当に百花蜜なのかも不明です。
そこで、本学産ハチミツについて、DNAメタバーコーディング解析や花粉に基づく蜜源植物の同定、および、本学周辺における蜜源植物の調査を行うことで、主蜜源を明らかにしようとしています。さらに本学産ハチミツに加えて、様々な単花蜜の1H-NMR解析を行うことで、本学産ハチミツを構成する成分がどのような単花蜜と近いのかを明らかにしようとしています。これらの結果を組み合わせることで、本学産ハチミツの付加価値とできるような特性を求めることを目的として研究を行っています。