形が変わると蛍光特性が変わる蛍光プローブの開発
プテリンは生体内にある蛍光分子です。河合研究室ではこの生体蛍光分子を利用した様々な蛍光プローブを開発しています。最近は、蛍光プローブの形の変化で蛍光がoffからonになったり、蛍光色が変わったりするプローブを開発しています。


接近/乖離型蛍光プローブ
蛍光基と消光基をリンカーでつなぐと、その蛍光プローブが置かれた周りの環境の違いによりこれらの置換基が離れたり(乖離)くっ付いたり(接近)する事で蛍光のoff/onが制御できる。これによってプテリンや葉酸と特異的に結合するタンパク質や酵素に結合すると蛍光を発するプローブが開発できる。


共役拡張型蛍光プローブ
蛍光基に共役基をつなぐと、その蛍光プローブが置かれた周りの環境の違いによりこの蛍光分子の共役系が拡大したり縮小したりする事で蛍光色が様々に変化する。これによって特定の形で相互作用できるタンパク質などを色の違いで識別できるプローブが開発できる。



形が変わると蛍光特性が変わる蛍光プローブの応用
アルツハイマー病などの神経変性疾患では、タンパク質の構造変化が発病と関連しているとされている。例えば、アミロイドタンパク質が可溶化している状態とβシート構造をとっている状態が蛍光の色の変化で検出できるプローブが開発できる。