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長浜バイオ大学 アニマルバイオサイエンス学科 動物分子生物学研究室
Laboratory for Animal Molecular Biology
Department of Animal Bio-Science, Faculty of Bio-Science, Nagahama Institute of Bio-Science and Technology, 1266 Tamura-cho, Nagahama-shi, Shiga 526-0829, Japan

感覚多様性の分子生物学と希少動物調査の研究室です。

 


 
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2022/09/26

野洲川のオオサンショウウオ、兵庫に帰る

| by:o_saito
野洲川で発見されたオオサンショウウオは、無事10年ぶりに故郷の兵庫県の
武庫川水系に帰りました。

6月19日(日)に滋賀県甲賀市の野洲川でオオサンショウウオが発見され、
みなくち子どもの森自然館で保護、最終的に本学アニマル3回生河原君から
「滋賀のオオサンショウウオを守る会」の私の所に連絡がありました。
あいにく、県外に出張中でしたが、何とか連絡を取り合い、無事、
その日のうちに、本学・水族実験施設(18℃)で保護することが出来ました。
85cm、4.4kgと結構大型です。ただ、野洲川はこれまでの環境DNAで陰性、
過去にも保護記録はほぼなく、オオサンショウウオはいない筈??

早速、本学のシークエンサーを使って遺伝子解析すると嬉しいことに
「日本固有種」。また個体識別用ICチップが挿入されていました。

しかし、滋賀県のデータベースに該当番号の個体はいません。京都府や三重県に
問い合わせても該当個体は見つかりませんでしたが、ついに兵庫県の個体だった
ことが判明。三田市武庫川水系で2007年に標識・登録され、2012年までは確認
されていましたが、その後所在不明だったことが分かりました。
これは、ヒトの仕業に違いないと思います。
文化庁、自治体と協議し、もとの河川に帰ることが決定、8月4日に本学・
水族実験施設に取りに来てくれました。ありがとうございました。

同日に、無事、10年ぶりにふるさとの武庫川水系に帰っていきました。

これも、多くの地域の方々が特別天然記念物のオオサンショウウオをよく理解されて
いて、適切に自治体・関連機関に連絡頂き、また多くのオオサンショウウオ関係者が
日本オオサンショウウオの会のマニュアルに従って、IC標識・データベース化、
そしてネットワークが出来ていて、機能したおかげと思います。
ただ、オオサンショウウオは移動することも、捕まえることも違法だし、その上、
交雑個体の拡大の懸念、更には川の生態系に大きく影響する可能性があるので、
このようなことに繋がる行為は、是非、止めてほしいと願います。
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