研究業績の紹介です。 |
<論文>
・Ohmori C, Sakai Y,Matano Y, Suzuki Y, Umemura K, Nagai N. Increase in
blood-brain barrier permeability does not directly induce neuronal death but
may accelerate ischemic neuronal damage. Experimental
Animals. 2018; 67: 479-486.
脳の血管には「血液脳関門」があり、血管内外の物質の移動(透過)がほとんどありません。しかし、脳梗塞に伴って透過性が増加(透過性亢進)ことが知られています。本研究ではマウス脳梗塞モデルを用いて、脳梗塞に伴う血液脳関門の透過性亢進が神経細胞死を誘導しないものの、神経の虚血傷害を促進する可能性を報告しました。
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・Suzuki Y, Nagai N, Yamakawa K, Muranaka Y,
Hokamura K, Umemura K. Recombinant
tissue-type plasminogen activator transiently enhances blood-brain barrier
permeability during cerebral ischemia through vascular endothelial growth
factor-mediated endothelial endocytosis in mice. J Cereb Blood Flow Metab. 2015; 35: 2021-31.
ヒトの脳梗塞の治療にはt-PAという血栓を溶かす薬が用いられています。このt-PAには出血の副作用があります。本路研究では、マウス脳梗塞-出血モデルを用いて脳梗塞の治療薬であるt-PAが、血管増殖因子のVEGFが関与する細胞内物質輸送を促進し血液脳関門の透過性を亢進することを明らかにしました。
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・Kunoh T, Wang W,
Kobayashi H, Matsuzaki D, Togo Y, Tokuyama M, Hosoi M, Koseki K, Wada S, Nagai
N, Nakamura T, Nomura S, Hasegawa M, Sasaki R, Mizukami T. Human
Dynactin-Associated Protein Transforms NIH3T3 Cells to Generate Highly
Vascularized Tumors with Weak Cell-Cell Interaction. PLoS One. 2015; 10: e0135836 .
本学水上先生との共同研究です。マウス腫瘍モデルを用いてDynAPが新規がん遺伝子であることを証明しました。
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・Yano M, Kawao N,
Tamura Y, Okada K, Ueshima S, Nagai N, Matsuo O. Spatiotemporal differences in vascular permeability after ischaemic
brain damage. Neuroreport. 2011; 22: 424-7.
脳梗塞に伴う血管脳透過性は脳梗塞を悪化させる可能性が指摘されていましたが、実験的な証明はされていませんでした。本研究はマウス脳梗塞モデルを用いて、脳梗塞後の血管透過性の変化に時間的・部位的な違いがあり、その違いはアストロサイトによって制御されている可能性を明らかにしました。
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・Nagai N, Kawao
N, Okada K, Ishida C, Okumoto K, Ueshima S, Suzuki Y, Umemura K, Matsuo O. Initial brain lesion size affects the extent of
subsequent pathophysiological responses. Brain
Res. 2010; 1322: 109-117.
これまでの脳梗塞のモデルは、脳梗塞の大きさの個体差や系統差が大きいことが難点でした。本研究では、脳梗塞の大きさの個体差や系統差が極めて小さい新規マウス脳梗塞モデルを確立しました。
また、このモデルを用いて、脳梗塞のサイズがその後の脳傷害の修復反応に影響を及ぼし、大きい脳梗塞ほど修復反応が強く惹起されることを明らかにしました。
(写真が雑誌の表紙を飾りました!)
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<著書>
・シリーズ<栄養と疾病の科学>2 血栓症と食(高田明和編)、栄養と血栓溶解、永井信夫 pp143-165、2020年5月1日 朝倉書店
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・新・血栓止血血管学 検査と診察(一瀬白帝、丸山征郎、村田満編)、遺伝子組換え動物、永井信夫 pp81-89. 2015年10月20日 金芳堂
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・マウス解剖イラストレイテッド野村慎太郎、永井信夫 2013年9月15日 秀潤社
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・Stem Cells and Cancer Stem Cells Volume 1, (Ed:
M. A. Hayat) Transplantation of Embryonic Stem Cells Results in Reduced Brain Lesions. Nobuo Nagai, Osamu Matsuo. pp143-149. Oct 28. 2011, Springer
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